家賃保証の落とし穴

安心を買える家賃保証契約・・・

家賃保証と聞くと、空室対策・家賃回収の心配から開放される安心なもの、保険のようなもの・・・
と思われているかもしれません。

その保険に対して、家賃の10〜15%程度の保険料であれば、高くはないか・・・

確かに、そうですよね。
数十年間、一括で借り上げしてくれて、その間の家賃回収の心配がなくなるなら、本当に安心です。

それに、10〜15%の手数料を支払っても建築費のローンをまかなえるシュミレーションが立っているなら、投資の成功が保証されたようなものですよね。

家賃保証契約はとても安心です。
ただし、本当に数十年に渡ってシュミレーション通りの家賃を保証してくれるなら・・・


ずっと同じ家賃を保証するわけではない

実は家賃保証契約は、契約時に取り決めした家賃を保証することにはなっていません。

例えば当初、15万円の家賃保証をしたとします。
でも、これを数十年間の契約期間にわたってずっと15万円保証し続けるわけではないのです。

保証会社によってことなりますが、3ヶ月単位で見直すことができる契約になっていることが多いです。

つまり、仮に入居者が集まらず空室状態が続いた場合、3ヶ月後には保証会社から「入居しないので家賃を下げませんか?」と提案してくることになるわけです。

こんなの、保証といえるのでしょうか?


保証会社には契約解除権がある

「でも、家賃の減額に応じなきゃいいんでしょ?」

確かにそうできれば良いのですが、そんな甘い契約にはなっていません。

家賃保証の契約書には、通常、

家賃の変更交渉に応じない場合は、保証会社は直ちに契約を解除できる

と書いてあるのです。

つまり、契約したが最後、まな板の鯉です。

保証会社がやりたい放題できるような契約になっていますから、それこそ空室が多ければ、「家賃を3割下げませんか?」なんていう提案をしてくることだってあります。

当初15万円で設定した家賃が10万円にされてしまう可能性だってあるわけですね。


赤字経営になるリスクが普通にある

当初のシュミレーションなんて、全く意味を成しません。
まさに、絵に描いた餅になります。

ここで起こる可能性があるのが、赤字経営です。

例えば、契約時には以下のシュミレーションがされていたとしましょう。

・建築費のローン返済額:10万円
・家賃:15万円
・保証料:15,000円(家賃の10%と仮定)

つまり、毎月35,000円のプラスになっています。

では、仮に3割家賃を下げさせられたら・・・

・建築費のローン返済額:10万円
・家賃10万円
・保証料:1万円

保証料分丸々、1万円の赤字となってしまうのです。

少なくとも損はしない、お小遣いにはなるかもしれない、これで安定した生活ができる・・・

こんな思いで始めた不動産投資が、家賃保証契約をしたにもかかわらずいとも簡単に崩れてしまう瞬間です。


家賃変動以外にもリスクが・・・

更に、家賃保証契約を結ぶことで発生する大きなリスクがあります。

それは、コストの増大です。

通常、家賃保証(サブリース)は建築と不動産管理の両方を行う会社が取り扱います。
その家賃保証契約には、今後発生するであろう修繕や改修工事の特約として、メーカー指定が盛り込まれています。
つまり、安価に購入できる市場に出回る汎用製品は使用できませんし、簡単な工事であっても近所の大工や電気屋へは発注はできず、ランニングコスト面で価格競争による維持費削減ができないのです。

こうなると、メーカーは最大限高いものを建築させようとしますよね。
流行の、最新の部材を惜しげもなく使ってきます。

これによって、建築コストが増大します。

設計費用、登記費用なども、メーカーがお抱えのところに頼むはずですので、それも言い値で交渉の余地はないでしょう。

さらに、途中で契約を解除しても設計や施工段階からメーカー指定建材のため、性能の良い市場で流通する汎用建材へ変更しようにも、苦労と大きな費用が掛かることも・・・

これらのコストも事業収支のシュミレーションに含まれていたかもしれませんが、シュミレーション上の要である家賃は下げられランニングコストが高いままでは、事業としては失格です。


家賃保証であなたのリスクは増大します

家賃保証は賃貸経営のリスクを減らしてくれる保険のようなもの・・・

なんていうことはありません。

保険どころか、逆にリスクを増やしてくれるものなのです。

残念なことに、この家賃保証契約によって破産に追い込まれてしまう人も少なくありません。

「老後の生活を支えるもの」と思って投資したものの破産に追い込まれ、住むところすらなくし、生活保護で余生を過ごす・・・

想像しただけでも胸が痛くなります。

絶対にだまされないでください。
家賃保証が100%悪いものであるとか、確実に嘘であるとは言いません。
条件が整えば、保険としての効果を発揮することもあるでしょう。

本来、家賃保証は建物が古くなってきたり入居者パターンが変わり、空室が増えてきた時にサポートされるべき制度です。

弊社が依頼する不動産管理会社は、築15年からでも家賃保証を取り付けます。
マーケットリサーチ(賃貸市場調査)を行った上での計画であれば、新築時に空室が出る事自体が異常です。

家賃保証を前面に出す会社は、お客様の利益(利回り)よりも建物を建てる事が目的で、建物も入居者が魅力と感じていないのかもしれません。


家賃保証はいらない

賃貸住宅経営をするなら、家賃保証に頼らずに運営できるように始めればよいのです。

「不動産投資もしたことがない素人にそんなことができるのだろうか・・・」

というご不安はごもっともですが、ちょっと考えてみてください。

仮に、家賃保証を付けないとしたら・・・

まず、家賃保証をつけるメーカーに建築を依頼する必要がなくなります。
一説には、メーカーに依頼すると建築コストは3割高くなると言われています。

そして、毎月支払う保証料、10〜15%が不要になります。

と、これだけでかなりのコストダウンになりますよね。
これを聞いて、ちょっと可能性を感じてきたのではないでしょうか?

アーキウィル石崎建築設計は、土地活用を考えている方に、家賃保証を必要とせずに賃貸経営できるよう、あらゆるお手伝いをしています。

家賃保証が不要になるカラクリは、こちらのページで解説しています。